Windows11 24H2のUSBメモリを使用したインストール方法とWindows10からのアップグレード方法について説明します。画面が少し違う場合があります。また回復ドライブを使用した場合の画面は異なります。この記事では回復ドライブから行う手順は説明していません。
Windows11インストールに必要こと
Windowsをインストールする際に必要なことがあります。
- ネットワークの接続が必要
- Microsoftアカウントが必要
これらは以前は回避する選択肢があったのですが、Windows11 バージョン24H2では通常は回避する選択肢はありません。Microsoftアカウントを持っていない場合はインストール中に作成することができます。
Windowsはログイン方法としてMicrosoftアカウントと従来より使われているローカルアカウントがありますが、インストール時はMicrosoftアカウントログインを強制されてしまいます。
インストールが完了しWindowsにログイン後、Microsoftアカウントからローカルアカウント変更することは可能です。ただし、C:\Users\<ユーザー名>このフォルダの名前はMicrosoftアカウントの@マークより前の部分になりますが、これは変更することができません。(別のアカウントを作ってから削除する方法があります)
しかし、ネットワーク環境がない場合もあると思いますので、これらを回避する裏技も存在します。この裏技は以前はMicrosoftが公表していたものですが、現在はそのページは見つけることができません。なので、今では非公式の方法になります。裏技の方法も書いておきますが、これをやることによって何らかの機能に影響があるかもしれません。また、いつこの方法が使えなくなるかわかりません。全て自己責任となりますのでご了承ください。可能であれば通常の方法でインストールすることをお勧めします。
Windowsが正常な状態ではない場合はインストールできない
Windowsが正常な状態ではない場合には、インストールを行っても途中でエラーになったり、ブルースクリーンで進まない可能性があります。例えば既にブルースクリーン現象が起きているPCで再インストールしてもやはり同じ現象になる可能性があります。
ブルースクリーンが発生する原因はハードウェアの故障や相性、ドライバーの不適合、過去にWindowsの更新が正常に行われていない、Windowsの不具合などが挙げられます。これらを解決しないと再インストールしてもやはり同じ症状になりインストールが正常に完了しない場合があり、傷を広げるだけになる可能性があります。
まずはWindowsを正常な状態に戻してから再インストールを行ってください。Windowsの更新が原因であれば再インストールで直る可能性があります。
Windows11が起動できる場合はオンライン経由でリセットできる
Windows11が起動できる場合は、[ 設定(「回復」と検索)→システム→回復→このPCをリセット ]からリカバリすることができます。起動できない状態の場合はインストールメディアが必要になります。また、Windowsの更新を元に戻したい場合も、オンライン経由でリセットできます。オンライン経由の場合、Windows11の要件を満たしているかチェックするプログラムが実行されるため、Windows11の要件を満たしていないPCの場合はこの方法は利用できません。
Windows11のレガシーBIOS対応PCへのインストールと要件回避
Windows11はレガシーBIOSには対応していません。レガシーBIOSのPCではインストールできるのが当たり前と思わない方がいいです。そもそも対応していませんので・・・。しかし、インストールメディアはレガシーBIOS対応で作成することができます。TPMやセキュアブートのチェックアプリを実行しないようにすることで、Windowsの動作要件を満たしていればインストールできる可能性があります。(要件回避はMicrosoftでは非推奨です)
この動作最小要件はあくまでもWindows11だけを動かすための最小スペックを示しています。実際には1GHzのCPU、4GB のメモリで動作することはかなり難しいと思われます。古いCPU(iシリーズ初期もしくはそれ以前)、4GBのメモリのPCでは、インストールですら問題が発生する可能性があります。それからDirectX 12 以降と記載がありますが、DirectX12というのはWindows10からのサポートになります。なのでその頃に発売されたGPUが対応しています。おそらくDirectX12に対応していなくても回避対応版であればインストールは可能です。しかし、一部の描画やゲームをする場合は問題が発生する可能性があります。それ以外でも何かあるかもしれません。
要件回避メディアについて
Windows11の要件回避はMicrosoftでは非推奨としつつも容認されている状態です。現在はWindowsの更新はできますが、オンラインによるインストールはできません。そして、これがいつまで続くのかわかりません。下記をご確認頂き、ChromeOS FlexやLinuxOSへの移行など早めに対応することをお勧めします。
最小システム要件を満たしていないデバイスにWindows 11インストールすることは推奨されません。 Windows 11が不適格なハードウェアにインストールされている場合、デバイスは Microsoft からサポートを受けられません。また、互換性の問題が発生するリスクがあると想定して快適に対処する必要があります。 これらのシステム要件を満たしていないデバイスは、互換性やその他の問題のために誤動作する可能性があります。 また、これらのデバイスは、セキュリティ更新プログラムを含むがこれに限定されない、更新プログラムを受け取る保証はありません。
Windows11のデータ移行・データの引継ぎ
既にWindows10やWindows11がPCにインストールされている場合、Windowsが起動できる場合のみデータ移行やデータの引継ぎが行えます。ただし、USBブートからインストールする場合はデータの引継ぎの項目はなくデータは削除されます。事前にMicrosoftアカウントで同期しバックアップを取ってある場合は、以前のWindowsのデータを復元する項目があります。
- データの引継ぎが行えるのはWindowsが起動できる場合のみ(setup.exeを実行)
- USBブートの場合はデータの引継ぎはできない(事前にMicrosoftアカウントで同期しておけば可能)
引き継がれるデータ
Windows11インストールで引き継がれるデータは下記になります。アプリの設定データなどは個別にバックアップを取る必要があります。
- ブラウザの設定(お気に入り、保存したパスワードなど)
- メールの設定(アカウント情報、受信メール、連絡先など、Outlookのみかもしれません)
- Windowsの基本設定(アカウント画像、壁紙など)
- 一部のアプリのデータ(クラウド同期対応のアプリはデータが保持される)
Windows10対応のアプリはだいたい使用できると思いますが、対応していないアプリもあります。アプリ自体は削除されないと思いますが、そのアプリがWindows11に対応しているか調べてみてください。
インストールが完了しない場合に備えてバックアップを取ることをお勧めします。またMicrosoftアカウントでOneDriveに同期することも可能です。
データを引き継ぎたい場合のWindows11のインストール方法
データを引き継いでインストールする方法を説明します。USBブートの場合は次の章をご覧ください。
①USBメモリを接続して、Windowsを起動します。
②USBメモリから「Setup.exe」を実行します。

③Windows11のインストール(更新プログラム、ドライバー、オプション機能の入手):
デフォルトではインストール中にWindowsの更新(ドライバーなどのインストールも含む)を行います。
インストール中に更新を行う場合は「次へ」ボタンを押します。
これを行いたく場合は「セットアップでの更新プログラムのダウンロード方法の変更」をクリックし、「今は実行しない」を選択します。

④適用される通知とライセンス条項:「同意する」ボタンを押します。
⑤インストール準備完了:
引き継ぐデータを確認するには「引き継ぐものを変更」をクリックします。デフォルトは個人用ファイルとアプリになります。
変更がなければ「インストール」ボタンを押します。

これ以降の手順については次の章を参考にしてください。
Windows11 24H2の新規インストール方法
USBブートしてWindow11をインストールする方法を説明します。
インストールの前提としてUEFI/BIOSにてセキュアブートを有効にします。(設定変更した覚えがなければ有効になっています)
①PCにUSBメモリまたはDVDドライブを差して、起動可能にします。
②言語設定の選択:両方「日本語」を選択します。
③キーボード設定を選択:
- キーボードまたは入力方式:Microsoft IME
- キーボードの種類:日本語キーボード(106/109キー)
※それ以外を選択するとUSキーボードになります。また、その他の日本語キーボードが選択できる場合は使用しているキーボードのキー数と同じものを選択してください。
キーボードの種類を間違えると面倒なので、次へを押した後、戻って再確認するなどしてください。

④セットアップオプションの選択
- 「Windows11のインストール」にチェックを入れる。
- 「I agree everything will be deleted including files, apps, and settings(ファイル、アプリ、設定などすべてが削除されることに同意します)」にチェックを入れるとデータはすべて削除されます。
- インストールしないで修復やトラブルシュートを行う場合は「PCを修復する」を選択します。

⑤適用される通知とライセンス条項:「同意する」ボタンを押す。
⑥Windows11をインストールする場所の選択:
インストールするパーティションを選択する容量などから判断することができます。

⑦インストール準備完了:「インストール」ボタンを押す。
再起動されますが、お待ちください。
⑧国または地域はこれでよろしいですか?:「日本」を選択し「はい」ボタンを押す。
下記は推奨しませんが、ネットワーク接続ができない環境の場合に行ってください。(MicrosoftアカウントによるサインインとWindows11の更新がスキップされるので注意してください。またその他のにもスキップされる項目があります。これにすることによって正しく機能しない部分があるかもしれませんのでご注意ください)
(1)キーボードのShift + F10を押す。
(2)コンソール画面が表示されるので下記を入力しEnterを押す。
oobe\BypassNRO.cmd
「\(スラッシュの反対のマーク)」は「¥」マークです。「¥」を押しても何も入力されない場合はUSキーボードになっています。むを押すと「¥」が表示されます。手順③で選択を間違えています。インストール後でも変更できますがレジストリを変更するため初心者の方にはお勧めしません。インストールをキャンセルしてやり直しましょう
※86キーボード(数字キーなしのキーボード)の場合日本語キーボードを選択していても、「¥」が入力されない現象を確認しています。その場合は、むで「¥」を入力し、一旦進めて文字を入力する項目で日本語入力可能か確認した方がいいかもしれません。
⑨これは正しいキーボードレイアウトまたは入力方式ですか?:「Microsoft IME」を選択して「はい」ボタンを押す。
⑩2つ目のキーボードレイアウトを追加しますか?:追加しない場合は「スキップ」ボタンを押す。ノートPCなどで他のキーボードを使う場合は「レイアウトの追加」ボタンを押す。
⑪ネットワークに接続しましょう:
- Wi-Fi接続の場合:一覧から自身のネットワーク名の項目で「接続」を押し、ネットワークのパスワードを入力する。
- LANケーブルでネットワークに繋いでいる場合は「イーサネット」を選択する。
- 手順⑧でネットワークの回避を行った場合は「インターネットに接続していません」をクリックする。次の画面でユーザー名とパスワードを設定します。
⑫デバイスに名前を付けましょう:PCに名前を付けます。
- 空欄にした場合はランダムな値が割り当てられます。(DESKTOP-英数字の組み合わせ)お任せの場合は「今はスキップ」を押す。
- 任意の名前にしたい場合は入力し「次へ」を押す
⑬このデバイスをどのように設定しますか:「個人用に設定」を選択します。
⑭Windowsの更新が始まります。何回か再起動しますがなにもしないで待ってください。
⑮Microsoftエクスペリエンスのロックを解除する:「サインイン」ボタンを押す。
⑯PCの必須アプリが無用で利用可能に(無料だと思われる):「次へ」ボタンを押す。
⑰Microsoftアカウントを追加しましょう:
- Microsoftアカウントを持っている場合:アカウントを入力する
- Microsoftアカウントを持っていて、顔認証、指紋認証、PINコード認証、セキュリティキーを使用したい場合:「サインインオプション」を確認する。
- Microsoftアカウントを忘れた場合:「サインインオプション」から「ユーザー名を忘れた場合」
- Microsoftアカウントを持っていない場合:「作成しましょう!」を選択する。
入力したら「次へ」ボタンを押します。
⑱顔認証を使用しますか?:使用しない場合は「今はスキップ」ボタン、使用する場合は「はい、セットアップします」ボタンを押します。
⑲PINの入力:「PINの作成」ボタンを押す。(ログインパスワードなどに使われます。)
⑳PINのセットアップ:
- 「英字と記号を含める」にチェックを入れる。
- 4文字以上のPINを入力し「OK」ボタンを押す。※メモを取るなどして忘れないで下さい。
㉑デバイスのプライバシー設定の選択:必要な項目をスイッチを右側にし、不必要な項目はスイッチを左側にし、「同意」ボタンを押す。
㉒こんにちは / ○○さん、では、始めましょう:
多分、既にデータを同期している場合としていない場合で画面が異なります。
【同期していない場合】
- Microsoftアカウントに以前のPCで使用していた情報が保存してある場合:「PCから復元する」を選択する。
- 保存してない場合または新規:「新しいPCとしてセットアップする」を選択する

「PCから復元する」を選択した場合は同期(バックアップ)しているPCのデータを確認し、「このPCから復元する」ボタンを押します。(画像は多分下記と同じです。)
【同期している場合】
既に同期しているデータがある場合は下記の画面になります。

表示されているデータで良い場合は「続行」ボタンを押します。(複数のバックアップがある場合は選択する必要があるかもしれません。)
バックアップデータを使わない場合(新規)は下へスクロールし、「その他のオプション」をクリックします。

「新しいPCとしてセットアップする」をクリックします。

よろしいですか?の確認の画面が表示されるので再度、「新しいPCとしてセットアップする」をクリックします。
㉓エクスペリエンスをカスタマイズしましょう:必要な項目にチェック入れ「承諾」ボタンを押す。すべて必要ない場合は「スキップ」を選択する。
㉔PCからスマートフォンを使用する:使用する場合は設定し、使用しない場合は「スキップ」を選択する。
㉕携帯電話の写真をバックアップして安全に保つ:使用する場合は設定し、使用しない場合は「スキップ」を選択する。
㉖常に最新の閲覧データにアクセスできます:使用する場合は「承諾」をクリックします。後で設定するか他のブラウザを使う場合は「今はしない」をクリックします。
㉗Microsoft365を無料でできることをご存じでしたか?:「次へ」ボタンを押す。
㉘PC Game Passに参加できます:使用しない場合は「今はしない」ボタンを押す。
㉙再起動後ログイン画面になります。設定したPINコードでログインします。USBメモリは点滅していなければ抜いても大丈夫です。
以上です。あとは使いやすいように個別の設定をしましょう。
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